いもとようこさんのやさしい絵柄が、お話にとてもマッチしています。
おなかがすいたという子狐のために、母親はいくつも山を越えて
一房のぶどうを持って帰ります。そのころ、子狐は母親の帰りを待ちきれずに巣穴から顔を出して泣き始めていました。その声が、巣穴の近くまで帰ってきていた母狐に聞こえました。自分が留守の間、子狐が敵に襲われていなかったかな、心配していた母狐は、子狐の鳴き声が聞こえたとたんに安心して、疲れが出てしまいまし。母きつねが、少し休もうとすると、犬の鳴き声が聞こえました。母狐は、自分の危険も顧みずに、「逃げなさい」と大きな声で子供に叫びました。
子供に対する、親の無償で深い愛情が淡々と描かれていて、すごく感動しました。そして、大きくなった子狐が、その母親の大きな愛情に気づくシーンも最高でした。こんな大きな愛情で、我が子を包んであげたい、としみじみ思いました。