「柳田邦男:訳」。ただただそれだけで図書館で予約して借りました。
でも、やっぱり良かったです。
ある家で飼われてはいるものの全く存在感のない犬と、奥さんを亡くして寂しさのどん底にいる老人。
この二人が偶然に出会い、お互いがお互いを必要として、元気に再生していくお話です。
疎外感や孤独感から抜け出すための一番のビタミン剤は、自分が人から必要とされることだと、この本は訴えかけてくるような気がします。
鉛筆で描かれたようなモノトーンの絵に派手さはありませんが、表情や動きが豊かで、とても活き活きとしてます。
二人が徐々に親しくなっていく過程もじっくりしっかり描いてあって好感が持てます。
本文を読み終わった時の読後感もとても良いのですが、さらに「訳者から」という文章が絶品です。