傑作だと思います!酒井駒子さんの絵とストーリーがとても合っています!
ただ、個人的には、ビロードのうさぎが本物のウサギとしての命を与えられても、救われないむなしさが残ります。
ぼうやにとって大切な存在になり、ぼうやが病気の間ずーっと励まし続けたうさぎは、ぼうやにとってさらに大切な存在になったはず。なのに、何も知らない大人は焼き捨てようとします。
そんなことには気づいていないぼうやと、自分の終わりを告げられて悲しみと恐ろしさに震えるうさぎ。あまりにも衝撃が大きすぎます。
燃やされずに命を与えられ、本物のウサギとして生きられるようになっても、坊やの愛に包まれた幸せな時は戻ってこないのです。
娘も私と同じ気持ちになったようで、一度読んだきりで、再び「読んで」と言うことはありません。でも、とても心に残る一冊にはなったようです。