日本にはこんな大きな畑はないけれど、外国にはどこまでいっても畑,畑、畑の世界があるのだなと思いました。その中でおじいさんが頭のないかかしを最初つくりました。かかしとしてはカラスやハトの害鳥に人間だと思わせておけばよいだけなのですが、それを見るおじいさんからはかかしに人間らしさをつくりたかったのでしょうね。そしてだんだん自分の服を人間らしいかかしにしていくためにかけていく。このおじいさん本当に寂しかったのだろうなと思います。寂しくて寂しくてたまらないものだからかかしを人間であるように思えてくる。このままいけばどんな話になっていただろう。でも後半から若者がきて、かかしの服を脱がす描写から若者に興味を持ち、若者と人間らしさを通わせていくおじいさん。最後まで読んだらよかったねと思えてきます。静かな描写だけど、本としては寂しいおじいさんの心が行間から見えてよかったです。大人が読んでも感動すると思います。