わが家には秘密の絵本棚があります。
わたしのクローゼットの中にあって、子供(6歳と2歳の男の子)たちは
絶対に触ってはいけないことになっています。
まだ読んであげていない絵本がしまってあるのです。
この「だんまりこうろぎ」も長い間その絵本棚にしまってありました。
虫が大好きになってから読んであげようと思っていたからです。
夏休みに虫捕りを楽しみ、カブトムシとクワガタを飼い、
すっかり虫好きになった息子たち。そろそろ出してあげようかな、
と思った矢先、わが家で少し悲しいできごとがありました。
その晩、私はこの本を手に取りました。
6歳の息子は「一番後ろが厚くなってる」と鋭い指摘(笑)。
「そう?」なんてごまかしながら読み始めました。
3ページ目あたりからは「うたえなーーい」と3人で声をそろえながら。
そして最後のページ。
「りーーーん、りーーーん」と音が響きました。
しばらく黙る2人。そして・・・「わぁ・・・・」と。
驚きなのか嬉しさなのか、何とも言えない表情で。
「すごいね、どうして?」と言いながら閉じたり開いたり。
しばらくすると6歳の息子は「電池がなくなっちゃう!」と
言って、下の子から取り上げていましたが(笑)。
少し悲しい出来事と2人の「わぁ・・・」といった時の顔を
わたしはセットでずっと忘れないだろうなぁと思いました。