読み始めて、作者紹介を見たら『図書室からはじまる愛』のヴェンカトラマンだった。
父の暴力から逃れて路上で暮らす姉妹。主人公のヴィジは強気で賢く、姉のラクは何らかの障害があるが手先が器用。
カースト制の残るインド、路上生活を続ける子どもたちの生活は、生水を飲んだり、ゴミの中から食べ物を探したり、行きついた仕事は廃棄物の中からリサイクル品を探すこと。
ただ、仲間たちと助け合い、必死に生き延びようとし、物乞いは受けず気丈に振る舞う姿勢には、暗さはない。
子どもたちに未来と救いが感じられる結末にはほっとさせられるが、路上生活を送る子どもが何百万人もいるインドの現状には、一体何ができるのだろう。