「こどものとも」創刊50周年記念企画を見に行った時のこと。会場の壁には作品の変遷がところ狭しと展示され、作品数に圧倒され心踊らされながら、流し見るだけでも大変時間が掛かりましたが、数点ひと際目を惹かれた作品の中のひとつがこれでした。表紙だけでも絶対良い!と確信して(記録して)「いつかは読むぞ!」と興奮したことを憶えています。
表紙ではみんなの視線が一点に集まっています。その先に一体何があるのか、徐々に近づき、その先に意識を持っていかれると、実は“事件”は別のところで起きていて、意表をつかれてページをめくると、見開き一杯のすばらしい情景に包まれ、うっとりと眺めてしまいます。
僕も息子もお気に入りの作品となって以来、ことあるごとに「かじだよ、かじだよ」が口ぐせになっている我が家です。
嫌いな人はいないと思いますが、子供より大人の方が癒されるものかもしれませんね。
是非ハードブック化されて、沢山の方の目に触れて欲しいと願う作品です。ちなみに、入村定子さんは児童書創作集団「えほんじま」に参加されていて、そこでは『もっとおおきなたいほうを』の二見正直さんも活動されているようです。