個人的にはとても魅力を感じる内容でしたが、とても不思議な感じの絵本でした。
ここに出てくる「死神」のイメージは、ヨーロッパ特有のものなのか、作者自身が考えたものなのか、ちょっとわかりませんが、「死神」という存在が消えると、誰にも「死」はやってこなくなり、「命がまわらなくなる」という発想を子ども向きのこういう絵本で表現した作家は、少ないんじゃないでしょうか?
そして、死神があまり強くないことも注目!お母さんを想うポール(主人公)の気持ちが勝っていたのかもしれないけれど、一介の少年にやられてしまう死神って、一体…。
その死神を閉じ込める場所が、黒いクルミというのは、何かわけがあるのかなぁ。あるとしたらどんな理由だったのんでしょうか?すごく気になります。
イラストのカルメン・セゴヴィアさんの絵も引き込まれる感じがして良かったです。