エロール・ル・カインによる挿絵と言う事だけで、即購入した本でしたが、なんと彼の遺作でした。
これはミュージカル「キャッツ」の原詩なのだそうです。
私にはミュージカルの中のミストフェリーズとこの本の中の彼とはだいぶ印象が違って見える。
暖炉の前で丸まってぼーっとした姿を見せたり、ソファに寝そべりながら、まるで人間を小ばかにしたかのように帽子の中から子猫を取り出して見せたり、ちょっとメタボに描かれています。
エリオットの詩は事細かな魔術の描写があるわけではなく、
「ほら、みてごらん」とあるだけ。文章を読んだだけではとらえどころのない猫でしかないのです。
そこをカインの想像力で挿絵を完成させたのでしょうか。
ふんだんにイギリスの香りが漂ってきます。
挿絵だけで楽しめる本かな。(エリオットさんごめんなさい)
他にいたずら好きの双子の猫の短編が載っています。
この本の前に「キャッツ ボス猫グロウルタイガー絶体絶命」というのが出版されているようです。