おとどけやさんのアリィはいつも忙しそう。
友だちのイモムーが遊びに来てもいつも「また今度ね」と言って仕事に出かけてしまいます。
「お母さん、遊ぼう」「お母さん、聞いて」と言われても、つい「忙しいから後でね」と言った経験、母親なら誰でも一度はあると思います。
そんな風に子どもが言ってくる時期なんて短い間なのに、なんでもっと手を止めて遊んだり、話を聞いてやらなかったんだろうと、子どもが成長してしまってから思うことがあります。
忙しく働くことも大事だけれど、時にはゆっくり立ち止まってぼんやりする時間があってもいい。
アリィも生まれて初めてぼーっとしてみて、風が優しく吹いていることや雲がいろんな形を変えて流れていくこと、足元にとてもキレイな石が落ちていることに気付くことが出来たのです。
イモムーもサナギになる前にアリィと遊べて良かった!
アリィが白い帽子をかぶって嬉しそうに出かける姿が可愛らしく、裏表紙ではイモムーが立派なチョウチョになっている姿も微笑ましかったです^^
落ち着いた自然の色合いの挿絵がピッタリで、優しい気持ちになれるお話でした。