あれから朝市は活気を取り戻しているのでしょうか。
84年の本ですが、厳寒の夜明け前から朝市のために魚を獲りに行ったり、雪に埋もれた畑に行ったりするおばあちゃん達の話を、土地の言葉で交わされる会話で書いています。
すごいなと思ったのが、もちろん冷たい水や雪に触れながらも毎朝欠かすことのない姿はもちろんなのですが、自分が朝市を歩いて物色している気分にさせられる会話文です。
「まけとくさけ こうてくだし。 かおり まったけ、あじ しめじ。しめじは いらんけー。」
「しめじなんか要らんよ。めっちゃ美味しくないやん」
娘、ごく自然に本の中のおばちゃんに返事しました。
私も別箇所で話しかけてしまいました。
語りの本は読み聞かせにむいていますね。ぜひ本場の方言で聞いてみたいです。
青空市で育った母は、いつかそういうやりとりを見せてやろうと思いました。
そして、こうして生きてきたおばちゃん達の逞しさに人生を感じました。