おじいさんが、海のすぐ近くで倒れていたアザラシを助けました。
倒れていた原因は、食べ物と間違えて食べてしまったビニール袋でした。
回復したアザラシは必死で何かを訴えるけれど、おじいさんには分かりません。
それで、アザラシ語が分かるヤマネコに助けを求めました。
アザラシが訴えていたのは、環境問題。
人間が海に捨てたゴミを誤って食べて死んでしまう生き物が、たくさんいるのです。
それを解決するため、アザラシたちは『ウミキレイ』を組み立てて海からゴミをなくそうと考えました。
でも、自分たちでは『ウミキレイ』を組み立てられません。
組み立ててくれる人間が必要なのです。
人間たちのエゴがアザラシたち海の生き物を困らせているのに、指摘されるまで気付かないなんて、私たち人間は、なんて身勝手なのでしょう。
絵本なので優しい表現しかされていませんが、本当は、作者はもっと強く言いたかったのではないでしょうか。
絵本の中で組み立ててくれる人間が必要だと言っていますが、それはつまり、原因を作った私たち人間が動かなければ、環境問題は解決しないということなのでしょう。
この絵本を読んだお子さんや大人の方の胸に、少しでも響いてくれたらと思います。