絵本作家長谷川義史さんは、絵本だけでなく絵本の翻訳も多く手掛けています。
しかも、長谷川さんの翻訳絵本は、大阪弁まるだしの翻訳になっていて、そんなことあらへんと思いながら、結構ハマります。
ジョン・クラッセンさんの絵本のとぼけた味も、長谷川さんの大阪弁によく合います。
韓国の絵本作家ペク・ヒナさんの、ちょっと驚くような展開も、長谷川さんならでは翻訳と相性抜群です。
この『ピヤキのママ』は、2011年の韓国で出版されたペク・ヒナさんの絵本です。
ペク・ヒナさんといえば、自称「人形いたずら作家」と呼んでいるように、人形のさまざまな表情の瞬間でとらえた奇抜な絵本作家として有名です。
代表作に『あめだま』や『天女銭湯』などがあります。
ただ、この『ピヤキのママ』はちょっと雰囲気がちがいます。
この作品はちょんとした(もちろん、人形を使った絵本もちゃんとしていますよ)手書きの絵でできています。
この絵本の作者紹介の中にも「本書は珍しく手描き作品。」と説明されています。
でも、話の展開は、ペク・ヒナさんの世界。
何しろ嫌われ者のふとっちょ猫「ニャンイ」がたまごを食べたら、ひよこになって生まれてきたという、とんでもないお話。
そのひよこの名前は「ピヤキ」。
いつの間にか「ニャンイ」は「ピヤキのママ」と呼ばれるようになる、いいお話なんです。
なので、この作品の長谷川義史さんの訳は、とってもまじめ。
それも、またいいんです。