図書館で児童書・ドイツ文学の棚を眺めていると、ふと目に飛び込んできたのが本書でした。
タイトルと、エンデの他に併記された著者を見て、あっ、あの作品の続きだ!と気付きました。
エンデの遺稿集に収録された未完成の物語、きちんとまとめられた原稿なだけに未完に終わっているのが残念に思っていました。
果たしてエンデの世界がきちんと引き継がれているだろうかと一抹の不安を感じながら開きましたが、『ジムボタン』シリーズのようなテンポの良さにぐいぐいと引き込まれ、特に後半は一気に読み終えました。
エンデの世界はきちんと生きていました。
続きを書いた著者の真心が伝わってくるような作品でした。
邦訳出版から少し経っていますが、図書館で見かけるまで全く存在を知らなかったのが疑問でした。
ロングセラーのエンデの作品の久々の「新刊」ともなればもっと宣伝されても良い気がするのですが…
児童書の出版は絵本に若干追いやられ、目立たないものなのかなあとちょっと寂しい気分です。
多くの子に勧めたいです。