たかどのほうこのお話は、キャラクターの音の響きがおもしろいものが多いですが、このお話もゆきだるまの「るん」と「ぶん」が登場します。
ゆきだるまの家の中が詳しく描かれていて、ゆきのじゅうたん、つららのシャンデリアなど、興味を惹きました。
るんとぶんは一緒に暮らしています。朝早く起きた方が、赤または青の帽子を被って、その日「るん」か「ぶん」になるかを決めます。
「るん」になると、その日は一生懸命に働かなくてはいけません。「ぷん」になると働く人を励ます役になります。だから、二人とも「ぷん」になりたがっていました。大体が交互になるこの生活を二人は楽しんでやっていたのですが、二人が一緒に起きて「ぷん」の帽子を取り合いました。
名前って一度ついたら固定的なものと思っていたので、朝早く起きた方が「るん」か「ぶん」かを選べるというところで、自分の持っていた既成概念をくつがえされました。
この本はジャンル的には、幼年童話。少し長いので、「今日は少しだけ読もう」と思って読み始めたのですが、私の方が先が知りたくなって止められなくなりました。
「るん」と「ぶん」の子どもらしさ、二人が「ぶん」になりたがって新しい雪だるまを作ってしまうところ、そして、その雪だるまが「ぷん」と名乗って謀反をおこされるところ、読みどころ満載で、最後まで飽きさせません。
こんなお話を作ってしまう、たかどのほうこのストーリー作りにただただ感心しました。少し長めのお話が読めるようになったお子さんにおすすめします。