帽子の大好きな2歳の娘のお気に入り。このほんのなかでも、優しいお兄ちゃんが出てくるので、とても親近感が持てるようです。
お気に入りの帽子を風に飛ばされてなくしてしまった女の子のお話。なくしてしまって、悲しくて、大好きなアイスクリームも食べられない彼女の悲しみようは、とてもわかります。なぐさめるおとうさんの言葉もとても暖かいものですが、本人には届きません。すぐに新しい帽子を買ってもらいますが、自分の帽子ではないような気がして、なかなかかぶらない。そんな女の子の気持ちもよくわかります。そんな
彼女の心を癒す兄の優しさと一匹の蝶。自分でかじって、なんとなく自分の帽子だ、と認めていく心の動きが、佐野洋子さんの優しい絵とシンクロして、心に響きました。
図書館で借りましたが、いずれ購入するつもりです。帽子の好きな子も苦手な子も一度読んでみてほしい一冊です。