「死」を理解できるもうすぐ6歳の長男に読みきかせました。(3歳の次男は、まだ死というものがピンと来ないようです。)
でも、この本は大切な人との別れを経験している大人にこそずっしりと響く本なのではないかと思います。大切なことりを綺麗な箱に入れて持ち歩くくまの気持ち、立ちなおらきゃと励まされて却って落ち込む気持ち、やまねこがただ「二人のために演奏をしたい」と申し出てくれた気持ち・・・そこには絵にも言葉にも出来ない感情の機微といものが滲み出ていると思うからです。
やまねこが差し出したタンバリンにも、暗にやまねこの悲しい誰かとの別れが示されていて、人は(やまねこは人じゃないけど!)いくつもの心の傷を抱えて乗り越えて生きていくもんなんだな、とグッと来ました。そして、そんな人だからこそ“他人の悲しみに寄り添う”という非常に高度な優しさが実行できるんだと思いました。
私自身のために手元にずっと置いておきたい絵本です。