子供のころに読みました。子供のころから、この絵が大好きでした。全編、ぐるぐる、もしゃもしゃの一筆書きみたいなのに、すばらしくダイナミック。ぴっちの黒い毛のもじゃもじゃ感、おこったにわとりのばたばたする羽、子供ながらにまねて描いてみたけど、それはただのぐちゃぐちゃで・・・(^_^;)闇夜にやってくるおおかみの黒、装飾模様で出来ているみたいなケーキ、大型本で出会って、そのころの記憶が一気によみがえりました。考えてみると、私が線画で描かれている本が好きなのは、この本が原点かもしれません。
ストーリーは、とても明快な子供好きするお話です。読後に残るのは、こんなに小さな、どちらかというと好き勝手なぴっちをとても愛してくれる、まわりの動物たち、りぜっとおばあさんの優しさです。でも、「まわりの優しさ」なんかに感情移入するのは大人になったからかもしれません。子供の時にはそんなこと感じませんでしたもの。池でおぼれて重い病気にかかったぴっちはとても手厚く介抱されて、みんなお見舞いに来てくれるのですが、とても丈夫で病気になんかなったことのない私は、心底そのシーンにあこがれたのでした。そんなことしか覚えていないですねえ(^^ゞ
そしてわが子はどんな感想を持ったかというと・・。冒険の末、ねこであることに満足したぴっちに「なんだ、ねこにもどっちゃったの!おおかみになればいいのにねえ。」
世代を超え、人それぞれの感想をもたせる、すばらしい本です!