読み聞かせ会で、毎年のように読んでいる本です。昔話の語りの力のようなものをいつも感じます。長い歴史の中で、人から人へ語り継がれているうちに、言葉がよりすぐられ、語る面白さと、聞く耳に心地よいリズムを生み出してきたのだなあ、そんなことを考えながら読んでいます。小学生なら、低学年の子でも自分で読めるお話ですが、やはり、誰かの声を通して読み語りで楽しんでもらいたいです。
お話の中で、繰り返し出てくる言葉は、とても印象的です。
いくがいくがいくと....
ゆけっちゃ かさかさ(笹の音)
ゆくなっちゃがさがさ(同じく分かれ道で揺れる笹の音) ゆくなっちゃ とんとん(きつつきの声)
ゆくなっちゃ がらがら(ひょうたんが風に揺れる音)
ゆけっちゃ とんとん(きつつき)
ゆけっちゃ からから(ひょうたんの音)
三人の兄弟が、病気の母親のため、山梨もぎに行く道で
繰り返し出てくるこれらの言葉が、お話をすごく盛り上げてくれます。
先日、読み聞かせで児童館に行ったとき、ある子が
「おばさん、また今度 ゆけっちゃ かさかさ っていう本読んでね」とリクエストしてくれました。本の題名よりも、そのフレーズが印象に残ったのでしょう。ぜひ、人の声を通して読み語りしていただきたい本です。