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雨はこびの来る沼」 伴門陶汰さんの声

雨はこびの来る沼 作:筒井 頼子
絵:梶山 俊夫
出版社:福音館書店
税込価格:\1,175
発行日:1995年06月
ISBN:9784834012941
評価スコア 4
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みんなの声 総数 1
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  • まさかわたしたちが雨はこびだったなんて

    筒井頼子さんは林明子さんとの作品が非常に印象深いので、
    梶山俊夫さんの描いた表紙から、昔話かお伽話のような先入観を
    持ちましたが、お父さんの昔話を聞いた娘“かや”が現実で同じ体験を
    しながらも、まるで夢のような体験の中で、お父さんが話していた
    不思議な男の子と同じように、自分も“雨はこび”だったかもしれない
    と気付く不思議さはお伽話なのかもしれません。

    二年生になった娘“かや”とお父さんは最近すれ違いばかりでしたが、
    とある日曜日に、お父さんは小さい時の思い出の沼に“かや”を連れて
    行きます。
    お父さんの昔話を聞き、秘密を共有したかのように二人の距離は近く
    なりました。

    次に“かや”が一人で沼に来た時は、お父さんから聞いていたように
    この前は無かった道が現れ、その先には不思議な男の子がいて、
    “かや”はその子と一緒にひとしきり遊びました。
    でも帰った次の日から梅雨に入り、雨続きで沼には行けません。
    そして梅雨明けしてから沼に来てみると、魔法にかかったように
    また元の沼に戻っていました。

    もう同じようには遊べないのかという残念な気持ちと、“かや”も
    お父さんと同じ経験ができてよかった安堵と、もしかしたら“かや”は
    昔のお父さんと遊んだのかと不思議な気分に満たされました。

    “雨はこび”とは良い梅雨を連れているという言い伝えの子どものことで、
    今と季節が合っていてとても入り込めました。

    ちょっと長いお話しですが、長靴がぼっこぼっこと鳴りました とか、
    水道から落ちた水が、ぱちん ぱちん ばらばら とか、擬音がうまく
    表現され、繰り返しもありますので、子供も聞き入ってくれると思います。

    少し自然に触れたことのある子どもや、最近自然に触れていない大人に
    お奨めです。

    投稿日:2008/07/14

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