絵が、とっても素敵だと思いました。
とくに、最初のページのおひさまと、次のページのライオンは、とっても気に入りました。
この本は、大人が読むと、いろいろと、思う所のある本だと思います。
王様だとか、強いとか、賢いとか・・そんな理由で、金のりんごは、自分のものだと主張する、動物たち。
でも、みんなで、落ちてくるのを待つしか自分のものにする方法を知らず、その待っている姿は、とても滑稽です。
それに比べて、王様でもなく、強くもなく、賢くもない・・・リスは、自分でとってしまいます。
ここまで読むと、権力も、才能も特に開花していない、私のような一般人は、
「リス!!がんばれ!!」と、
リスに自分を投影させて、”ぎゃふん”といわせてくれることを期待してしまいます。
でも、リスは、りんごを落としてしまうのです・・・
そして、金のりんごをめぐっての争いが起きるのです。
が、いつしか、みんな金のりんごは、どうでもよくなってしまうのです。
この部分で、私は、「戦争」を想像しました。
戦争も、「金のりんご」のような理由付けをして、争いが始まり、いつしか、「争うこと」自体が目的になってしまっているような気がしてなりません。
この本には、「権力」と、「争い」はばかばかしいことだと、批判しているように思えました。