この作品は実話をもとにしたフィクションだそうです。
つまり、書かれていることのすべてが本当ではないけれど、こういうことをした人がいるということですよね?
とても深い話だと思いました。
1つの職業を選択し、生きていくためには同市も「儲け」を考えなくてはいけない。というか、たいていの人は目先の「儲け」を考えてしまうものです。
けれども、この作品の「りんごのおじさん」が見ていたのは、目先の出来栄えや儲けではなくて、「りんご」そのもので、
どうしたら“安全でおいしいりんごができるか”ということでした。
竹下文子さん(作者)×鈴木まもるさん(絵)の作品なので、阿吽がいいというか、色々な場面で1つ1つしっかり「魅せてくれるな〜」と感じました。
一番印象に残ったページは「りんごおじさん」が土をすくいあげているシーンです。
おじさんの手、いいですよ〜。この本を手にした方は、ぜひこのおじさんの手をじっくり見てほしいです。
いい作品だと思います。小学校の高学年くらいから、中学生・高校生の皆さんにお薦めします。