一口に「えんどう」といっても、食べるところによって少し違いがあります。
サヤエンドウは若どりしたさやを食べます。キヌサヤと呼ばれているのが、これ。
スナップエンドウはさやと豆の両方を食べ、
実エンドウは丸々と太った豆を食べます。グリーンピースがこれにあたります。
関西では「ウスイエンドウ」が有名です。
ただ見た目はよく似ていますから、それを描き分けるのは難しいと思います。
それでも、「そらまめくん」シリーズでおなじみの、
なかやみわさんはその違いをとてもうまく描く絵本作家といっていいでしょう。
なかでも、やはりそらまめの描き方が抜群。
大きなそらまめのさやを柔らかいベッドになぞられたセンスがあればこそ、
このシリーズがたくさんの子どもたちから人気を得たといえます。
この『そらまめくんとめだかのこ』も、そんな人気シリーズの一冊で
このなかでも「えんどう」たちのさやのちがいなどうまく描かれています。
大雨のあと、そらまめくんたちの遊び場だったところに大きな水たまりができます。
なんとその水たまりに川から流されてきためだかの子がいるではないですか。
そらまめくんたちは、めだかの子を川に戻してあげようと相談します。
でも、どうやって川まで運べばいいでしょう。
まめたちのさやに水をいれて運ぶことにしましたが、
さて誰のさやが一番いいのかな。
ここはやっぱり一番大きな、そう、そらまめくんのさやですね。
今がそらまめの旬。
おいしいそらまめを食べる時、そのさやにめだかの子がいないか
のぞいてみてはどうですか。