「聖なる夜に」でコリントンさんの世界に魅了され、この作品を捜し借りてきました。
12歳の息子にとって、ちょうど良い年頃に出会えた作品だと思います。
毎日多忙な飼い主におざなりにされ、餌を待ち続ける事に嫌気がさした猫のシマシマ。
意を決して、自らキャットフードの缶を開け食べ始めたら、家族はシマシマの能力を「おりこうね」と賞賛し、家の鍵の開け閉め・ATMでお金を下ろさせ・果ては買い物までさせる調子の乗りよう。
シマシマのささやかな余暇を過ごす様子に「可愛い〜」と見つめていたら、なんと外へ働きに出ろ!という飼い主。
もう、ここで呆れながら笑わずに入られませんでした。
さて、人間顔負けの働きぶりの“おりこうなシマシマ”のお利巧な解決の仕方に参りました。
「よくできてるお話だなぁ〜」と、息子が感嘆の声をあげていました。
このシニカルな笑いを解せるのは、やはり高学年からかなと思います。
とにかく綿密に練り上げられた愉快なストーリーでした。
シマシマも可愛らしさを削ぎ落としたようなキャラクターで、このお話の中で生かされていると思いました。