このお話は、入り組んだ人と人との複雑な気持ちをどう解いていけば良いのかを考えさせられます。
仕事の都合でほとんど帰ってこられない父親とはるこを結ぶのは、ぺぺちゃん人形。
はるこがペペちゃんのあたまの部分をお父さんのカバンの中にこっそりしまいこんだのです。
言葉ではうまく伝えられない気持ちを、自分の大切なものを半分相手に委ねることによって気持ちを伝えようとしているところが健気です。
また義父はお父さんと和解することなく亡くなってしまいます。
しかし、和菓子職人の義父の仕事など何も知らないと思っていた父親が、色とりどりの粘土で作った、義父の創作和菓子を見れば、義父への気持ちがたくさん込められていることがわかります。
印象的なシーンが多い作品です。
ささめやゆきさんの絵がはるこの繊細な気持ちをよく伝えてくれています。
小学校中学年以上の子どもに味わって読んでもらいたい作品です。