宮沢賢治の絵本は数多あれど、どれも私の中にある映像とは大なり小なり違っていて、残念ながら、やっぱり活字だけのほうがいいかなあ、と。特にこの「やまなし」は大事に大事にしてきた詩なので、早く娘に読んであげたいと思いながらず〜と機会を窺っていました。家の近くの区立図書館の新着コーナーで本著を見つけた時は「うわあ、これだあ!」と思わず声が(*^_^*)。表紙から最後のページまで、まさに私の思い描いていた「やまなし」でした。特に色彩が…。なんか勿体ない気がして、ゆっくりゆっくりページをめくり、ひとつひとつの言葉にじ〜んとしながら娘と読みました。澄み切った川底の、小さな、愛おしい世界。やまなしが流れてくる場面では、かすかな甘い香りまでしてきました。久しぶりにギュウっと抱きしめた一冊です。