絵が温かく、読んでいるだけで本当にだんろの前にいるように暖まる絵本です。
雪の中、道に迷って寒くて疲れているなかで見つけた、不思議な空間。
だんろの火を静かに見つめて、うさぎの言葉。
「つかれたら やすめばいいんだ、むりしないで じっと していれば げんきに なるさ」
暗く、静かで暖かい場所でゆっくり休み、明るい外の世界へ飛び出していく「ぼく」の姿に、自分を重ねて読んでしまいます。
無理にもがいたりせず、つらいときにじっと休むのは、大人には案外勇気のいることで難しいものです。
子どもにも、「がんばれ」と励ましてしまいがちです。
こんなふうに休める場所が、自分にも必要だし、家族にとって自分がそういう場所でありたいと思いました。
大人が読んで癒される、優しい絵本です。