一頭のおじいさんくじらが、南の島へ旅をしているとちゅう、一匹の勇敢な飛行ぐもが、おじいさんくじらを島と間違えて、飛び降りてきました。
新天地を目指していたのにと、とても残念そうなくもに、おじいさんくじらは、良さそうな島まで案内すると言いました。
そして、くもは、くじらにある約束をします。
とても、かないそうもない大きな約束です。
何年も、ひとりでいたおじいさんくじらにとって、この小さなお客さまは、ほんとうに大きな存在だったような気がします。何もかもが対照的なふたりの会話が、実に気持ちよく心にしみこんできました。
全体を通して、淡い色遣いの水彩画が、『海』の雰囲気を充分に引き出しているようでした。