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かいけつゾロリ(16) かいけつゾロリとなぞのひこうき」 渡”邉恵’里’さんの声

かいけつゾロリ(16) かいけつゾロリとなぞのひこうき 作・絵:原 ゆたか
出版社:ポプラ社
税込価格:\1,210
発行日:1994年11月
ISBN:9784591046234
評価スコア 4.5
評価ランキング 7,945
みんなの声 総数 9
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  • 悪役の悲哀と美学を感じる

    ラジコン飛行機を盗んだゾロリ一家は、逃亡中にお金持ちのお嬢様の乗る旅客機に潜入。無事脱出したが、飛行中に墜落し、雪山で遭難しかける話。

    1994年刊行。昭和生まれの私は、1985年の航空機事故を連想した。当時、子どもだったのでテレビのニュースで盛んに騒いでいる印象と、少し時間が経ってからテレビタレントのお話や随筆などで「あの便に乗る予定だった」という話を知り、印象に残っている。
    飛行機の墜落事故の後、生き残った人が墜落現場(山間部)から自力で脱出するドキュメント番組なども見た。現場は冬山で、積雪があり、山は絶壁で生還したのが奇跡のようだった。

    そんな過酷な話には絶対にならないゾロリシリーズだから、安心してのんびり読める。
    ゾロリのお父さんの話も出てきて、なかなか感動する場面もあり。この場面は、天空の城ラピュタを思い出させる。

    作者が多方面にアンテナを張り、いろんなアイデアを出し、楽しい作品を作っていくのが尊い。

    いろんな知恵を絞って、困難な状況を切り抜けていくゾロリたちだが、最後は「ラジコン飛行機を盗んだ」けしからん連中として報道されている。ああ、悪役の辛いところ。
    普段の行いの積み重ねで、素晴らしい行いが消し飛んでしまったが、そんなことは一向に気にしない。さすが大物、ロングセラー。悪役の美学を感じる。

    投稿日:2022/09/15

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