1995年刊行。長年お化けをやっていて、くたびれてきて自信を無くした方々が、ゾロリのアイデアによって再起を図る物語。
このお話は90年代に書かれたものだけど、今も素敵だ。
「高齢化社会」と言われるようになって、寿命が延びることで起きるいろんな問題が山積みになっている。健康で長寿で楽しい老後というラッキーな人もあるが、要介護だったり、貧困や孤独で苦しむ人もある。若いころと違い、いろいろと不自由になったという人もある。
よれよれになっていくと気分も落ち込み、早くお迎えが来て欲しいとなってしまう。
そんな晩年では残念過ぎる。このお話のように、知恵を働かせて、第二の人生が楽しく歩めると素敵だ。
それぞれのお化けたちは、自分たちが思いもよらなかった楽しい生き方を見つけて、大喜びしている。
こういう発見は、やっぱり人の手を借りて、人と交流するとか、チャレンジするとかして、手に入れるのだろう。
元気で幸せな先輩方が世の中に増えたら、後輩たちも将来に希望をもって生きていくことができる。
そんなことを考えたお話。本編にはそんなメッセージはたぶんないと思うけど、読者は勝手にそんな風に受け取りました。
巻末の「あのおばけは、いま…」という特集記事、ぜひ見てください。