読書感想文全国コンクール小学校高学年の部課題図書。
ジュニアライブラリー「戦争と平和」シリーズの1冊です。
戦没画学生慰霊美術館「無言館」について子ども達に知ってほしいと
創作された作品ですが、
主人公の悩みと交錯し、とても共感できるストーリーでした。
主人公のツヨシは中学受験に失敗し、悶々とした日々を過ごしています。
当然両親とも衝突して、家出をした先は、祖母の姉の春おばさんの家。
そこで春おばさんの思い出話を聞くうちに、
自分の運についても考え始めるのです。
思春期の入り口の子ども達の微妙な心理がリアリティがありました。
同時に、両親や、旅の途中で出会ったおじさんなど、
子育て世代の大人が読んでも共感できるポイントがありました。
無言館の様子もよくわかり、訪れてみたい、と思いました。
「運鈍根」という言葉ははじめて聞きましたが、妙に納得できますね。
子ども達がこれから様々な壁にぶつかる前に、読んでほしい作品だと思いました。