19世紀イギリスの作家ディケンズによる名作。
ディケンズは、オルコット作『若草物語』の4姉妹が愛読していた作家としても描かれており、
『若草物語』愛読者の私としては、子どもの頃から気になっていた作家で、
数年前のクリスマスシーズンに読んだ作品です。
今年はどうやらディズニー映画となるようで、どのようになるか楽しみです。
19世紀のロンドンのクリスマスの光景が描かれます。
高利貸しのスクルージは、けちで冷酷な性格ですが、
共同経営者のマーレイが、死後、幽霊となって彼を諭します。
マーレイの予告どおり、3人の精霊に導かれ、自身の過去・現在・未来を見つめたスクルージは、
改心した上で、清々しいクリスマスを迎えるのです。
スクルージが垣間見た様々なクリスマスの光景が印象的です。
健気なティム坊やの姿も心に残ります。
クリスマスという、クリスチャンの精神世界も大きなテーマだけに、
日本の子どもたちには少しイメージがしにくいかもしれません。
また、精霊や幽霊など、多少おどろおどろしい登場人物も多いので、
実は私も長年読むのをためらっていました。
でも読んでみると、他者への思いやりが自分をも豊かにする有様が
鮮やかに描かれていて、自然に思いやりの心を育んでくれるようにも感じました。
地味ですが、読み応えのある作品だと思います。