ガアグの研究本で本書の存在を知りました。
『100まんびきのねこ』の作者の最晩年の作品ということで期待大でしたが、素敵な本でした。
「なんにもないない」というネーミングも良いですがおまじないの呪文の和訳も韻を踏んだ原作と同じくリズミカルなことばで表現されていて良かったです。
なんにもないないが「すがたあるもの」に変化していき、最後には十分に満たされた存在になる点は『100まんびきのねこ』のテーマと通じるところがあるような気がしました。
ラストの文章の訳が原作と同じくきちんとオチがついている点がよく工夫されていると思いました。