意味はよく分からないけど面白そうなタイトルと、見たこともない風変わりで愛嬌のある生物が描かれている表紙。
これだけ見ると、大人の為だけの絵本ではもったいないのでは?と思いました。でも読み進めるうちに、(あ、こんな感じの、昔うちにも居た?)なんて思えてきて、これはやはり大人の為の絵本かなと思いました 笑。
主役として登場するのは、思うままに振る舞い、人の話に全く耳を傾けず、思い通りにならないと臍を曲げる未知なる生物です。短歌の形式でそえられた皮肉めいた文章がコミカルで小気味良く、面白かったです。
ネタバレになるかもしれませんが、子どもに対しては所詮こんなものだと思って接すれば、手を焼くほどの事があってもこちらが熱くならずにすむのかもしれません。分かっていても、なかなかそうはいかないのも現実ですが…。
また、絵は細くて黒い線だけで描かれていて見入りました。衣服や壁、絨毯や床などの質感がとてもよくわかります。また、うろんな客はやりたい放題にも関わらず、ナスや洋ナシの様にも見えるフォルムで憎めない感じが可愛くも思えました。