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日本の昔話えほん 8 つるのおんがえし」 ぷうさんのはちみつさんの声

日本の昔話えほん 8 つるのおんがえし 作:山下 明生
絵:吉田 尚令
出版社:あかね書房 あかね書房の特集ページがあります!
税込価格:\1,430
発行日:2010年10月
ISBN:9784251011589
評価スコア 4.4
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  • 冬に読みたい、昔話

    子どものころから、なじみ深い作品です。が、

    ・男が(名前はありませんでした)鶴を助けた時に、猟師に銭を渡す。
    ・殿様の命令で妻(鶴)にはたをおらせる。

    という部分は、私は初めてでした。


    吉田さんの絵は、作品にとても合っている思います。

    とくに、殿様に命令され、せめてあと1枚はたをおってくれないかと、妻に頼んだ時の男の表情と、それを言われた時の妻の表情がたまりません。

    ・妻を心配しながらも、殿様の命令だから仕方ない・・・、やってくれるな?

    ・本当は体が辛い・・・だけど恩ある大切な男のためならと・・・。

    二人のそんな感情が伝わってくるような、印象的な場面でした。


    男は確かに銭を得て、欲深くなってしまったかもしれません。
    だけど、最初に鶴を助けた時、本来なら布団を買うはずの銭を、男は猟師に渡したのです。純粋に鶴を助けるために。
    その部分に、少し救われたような感じがしました。
    山下さんがその場面を物語に入れた理由が、わかるような気がしました。


    ラスト、飛び立っていく鶴の後ろ姿と、ただただ見送るだけしかできなかった男の後ろ姿が、雰囲気たっぷりに描かれていました。
    余韻が残る、切ない最後でした。

    投稿日:2016/11/03

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