保育園のお話が数話おさめられています。
絵本ではなく、挿絵は多いけれど文章が主体の本です。
内容は、学校に入る前の、4歳から年長さんぐらいのお子さんに読んであげるのにぴったりだと思います。
年少さんから年中さんの時にこの本を読んでもらったときの感想と、年長さんになってから再び読んであげたり、自分で読んだりした時の感想は、違ったものになるかもしれません。
そして大人になり、わが子に読んであげる時にはまたさらに違った感想を抱くのかもしれないなと思います。
保育園の日常生活が、夢か想像か、それともいつか聞いた昔話か、不思議な世界とつながります。そこに境目はありません。
子供たちはその世界でくじらを釣り、悪者をやっつけ、鬼に出会います。
6歳(年長)の息子は、とにかく無言で何度も読み返しています。
どうしてこの本にそんなに魅かれるのか不思議に思えるほどです。
叱られてばかりで自分より年下で……決して憧れるような存在ではないのだけれど、なぜか気になる主人公のしげるくん。
繰り返し読みながら、共感したり嫌ったり、心の中でかばったり、裁いたりしているのでしょうか。