いかつい顔にどっしりとした体つき。こんな風来坊は、案外繊細な心の持ち主です。空腹に耐えかねて畑で野菜を盗み食いし、野菜の代わりにと木彫りの仏像を置いていったにも係わらず、気になって翌朝村人の反応を見に行ったりして。
でも、そのギャップが人間臭くて面白いのです。
今度の村でも、たらふく飲み食いしてから、村人達の悩み事を聞いてみると、とても自分ひとりでは対処できないような難題だと知って顔面蒼白になるあたり、風来坊には悪いのですが、つい可笑しくなってしまいます。
でも、一生懸命考えて、自分の得意技を最大限に使って見事に解決するので、立派です。そして、この先もっと大変なことをさせられてはたまらないと、スタコラサッサと逃げ出すところもいいですね!そうそう、自分の引き際もきちんと心得ていて、なかなか凄いヤツではありませんか。
スーパーヒーローじゃない、弱いところもたくさんある主人公にとても好感がもててしまうお話です。