「なんだよう。ついてこないでよう」
男の子の思いに反して野良犬はついてくる。逃げる逃げる、追いかける追いかける。気付くと、、あれ、ここはどこ?見知らぬ場所に来てしまって帰り方が分からず落ち込んでいる男の子を見て、犬は・・・。
犬が取る距離感がたまりません。(この子についていってみようかな)ついていきたい好奇心と、受け入れてもらえるか不安な気持ちがよく表されています。
薄暗い工場群やはだか電球など、描かれた時代背景は戦後まもなくでしょうか?セピア調で統一されていて独特の雰囲気が漂ってきます。同時代に生活されていた方なら遠き日を思い起こす作品です。
ひらがな表記ですので小さいお子様でも一人で読むことが出来ます。昔はこんなだったよ、と補足してあげると子供は時代背景を理解し易いと思います。