リタ・アン号の船長の航海日誌に綴られた世にも奇妙な物語。
地図にのっていない小さな島で拾った石には、不思議な力が備わっていて、船員たちに奇妙な変化が表れる。
航海日誌は、順風と晴れ上がった空…からはじまるのですが、船長の冷静な語り口がじわじわと迫り来る不気味さを引き立てます。
そしてオールスバーグの独特の、一件落着に見えて実は背中が薄ら寒くなる終わり方で今回も物語は幕をとじます。
挿絵の印象が「西風号の遭難」と重なります。
楽しそうにしている場面でも、何か重い空気があり、日の光の中の絵ですら、暗い影を感じます。
それにしても題名にもなっている「石」。描かれていませんから…
どこをとってもまさにオールスバーグの作品。