マイケル・グレイニエツは「お月さまってどんなあじ?」「フィアボ」「だれがいちばん はやいかな」と、お気に入りの作家の1人。
今回の作品は、「こねこ 9ひき ぐーぐーぐー」の姉妹編と言える作品です。
23cm×23cmという正方形の版ですが、縦に開いて読むという変形の絵本で、これが、実にストーリーを活かす仕掛けとなっています。
こざる 1ぴき やってきた。
「あ!バナナ。おいしそう!」
という書き出しで始まりますが、上にバナナがあって、遥か下にこざるが居るという構図です。
1ぴきだと、ジャンプしても取れません。
次に1ぴき、その次は3ぴき、その次は4ひき、最後に1ぴき、と加わって10ぴきになるのですが、あと少しでバナナに届きません。
そしたら、大きな影がやってきて・・・とエンディングに繋がるのですが、手に入れたバナナの巨大なこと。
全く実寸を無視した大きさは、絵本ならではのもの。
話は単純で、スマッシュヒットという感じの絵本です。
マイケル・グレイニエツは、決して読者を飽きさせることのないヒットメーカーと言えると思います。