幸田文に「木」という木だけを見つめて書かれたエッセイがあったように記憶しています。
樹齢何百年もこえる木もあれば、途中で切り倒される木もある。
また、自然の力で倒れてしまう木も。
その木が生まれて育って倒れてしまっても人は気付かないのかもしれません。
ただ、木も木の命を全うしそこに存在しているのみ。その木の中でもまた他の植物を育てているかもしれません。
日陰に生きる植物は木の恩恵を受けていそうです。
そんなことを考えながら、この絵本を見ていました。
広野さんの絵がまたとてもいいのです。
絵だけを見つめていても心がなごみました。
子ども向け大人向けと絵本を区別してしまうと、またそこから見方が変ってくるかもしれませんが、
自然に生きる木にもまた目を向けてみようかなと思いました。