自分のキャンバスを用意して、自分が描きたい絵を描こうとしているのに、次から次へと友達がやってきては、勝手に絵を描き足していきます。親切なのはいいけれど、みんな自分とそっくりなものを描き足していくので、最後には何やら怪物のようなものになってしまいます。息子は単純にこうした過程を楽しんでいました。
何かをしようとしている人に、自分の価値観を押し付けるようなアドバイスをして自分の気に入った風にさせようと仕向ける。そして自分は結局、口出ししただけで何もやり遂げてはいない。親子関係に限らずこうした事がよくあります。意志が弱いと、言いなりになって不完全燃焼に終わる事もあります。
私は、自分はこうしたい、とはっきり言えるビリーの強さが気に入りました。そして、それぞれ自分の描きたいものを描き上げるラストの、みんなの満足そうな顔を見て、すがすがしく感じました。