イーヴィが11歳の時に、パパの姉のフローおばさんが一緒に住むようになりました。
母が亡くなったことをまだ受け入れられないイーヴィ。フローおばさんが誰かが亡くなった時の遺体をきれいにして納棺するという仕事をしていました。
日本で言うところの納棺師の仕事を1800年代後半にはあったようです。
イーヴィは、おとむらい師というおばさんの職業も受け入れがたく、おばが母のやり方を変えてしまうことにも危機感を持っていたのでした。
生活や自然の様子は、あとがきにも書かれていますが『大草原の小さな家』に通じる手作りの世界を感じます。
家族の誰かが亡くなった時に、それを客観的な気持ちで処理してくれる人は当時も重宝がられたことでしょう。
そうでなくても、家族の誰かが亡くなれば気持ちが沈んだり興奮したりで何も手につかないことだと思いますので。
「天から与えられた人だけのもの」とおばさんが仕事に対して誇りを持っているように誰にでもできるというものではない仕事だと思いました。
イーヴィの心の動きと成長と、おばさんとの関わりが静かに描かれている作品です。
主人公は11歳ですが、YAジャンルの作品です。YAジャンルの本は意外にも大人が多いと聞きますが、大人でも十分楽しめます。