赤ちゃんが生まれお姉ちゃんになった、なっちゃん。
お母さんと手をつなぐことも、牛乳をついでもらうことも、お母さんが赤ちゃんのお世話で忙しいため、なんとか自分でやってみようとします。
そして「ちょっとだけ」できました。
・・・健気です。とてもいい子です。
でも公園でお友達のお母さんに「赤ちゃんかわいいでしょ?」と聞かれた時、なっちゃんは「ちょっとだけ」頷いたけど、きっと本当にかわいいとは思ってなかったでしょうね。
小さな胸は赤ちゃんにお母さんを取られたことによる嫉妬と、自分はお姉ちゃんだから我慢して自分のことは自分でやらなくてはならないという重圧で、苦しめられていたのでしょう。
その時点では「お母さん何してるのよ!」と思いながら読んでいました。
眠くなったなっちゃんはお母さんに遠慮がちに「ちょっとだけだっこして」と言います。
その時お母さんの意外な返事。
「ちょっとだけじゃなくて、いっぱいだっこしてもいいですか?」
・・・涙が出ました。
お母さんのだっこはやっぱりいいね。
赤ちゃんにちょっとだけ我慢してもらい、なっちゃんはお母さんの腕の中。
最後に赤ちゃんをあやすなっちゃんの絵は、本当にお姉ちゃんの顔をしていました。「ちょっと」ではなく「いっぱい」赤ちゃんのことをかわいいと思ってるのでしょうね。
弟妹が生まれると、どうしても上の子は我慢することが多くなってしまいますが、やはり一日1回はぎゅっと抱っこしてあげて、愛情を伝えておくことが必要なんだなと、再認識させられた本でした。
二人目が生まれた友達にすすめています。