これはイエペくんという帽子が大好きな男の子の保育園でのヒトコマを
写真で綴ったドキュメント絵本です。
数ある帽子の中でもまるでおじいさんがかぶるような茶色い帽子に執着するイエペくんの様子がとても表情豊かでカワイイんです。
外で遊ぶ時はもちろんお部屋の中で絵本を読んでもらうときも
でんぐり返しするときも とっくみあいするときも
お弁当のときでも イエペくんは帽子を脱ぎません。
あんまり帽子を脱がないものだからお友だちにからかわれて
帽子を取り上げられたり、いじわるされたりします。
帽子をめぐってのイエペくんのクルクル変わる表情をカメラマンの石亀氏がたくみに捉えていますね、感心してしまいます。
あとがきに石亀さんがイエペくんと芝生の上で
じゃれあっているようなショットが載っているんだけど
カメラマンと被写体がすごく打ち解けあっているから
こんなステキな写真になるのだろうなと感じました。
愛着を持って一つの物を大事にするのはとてもステキなことですよね。
イエペくんの帽子への執着を咎めもせずに家族や先生はとても優しい目で見守る様子もとても好感が持てます。
テレビなどで同じ年くらいの子が出ると釘付けになる娘。
この絵本もイエペくんの様子をじーーっと見つめていました。
1978年に初版が出ているので当時3歳だったイエペくんも
今では立派な青年のはずです。
その後のイエペくん、今も大事に茶色の帽子を手元に置いているのかもしれないですね。