「ぞうのさんすう」を手にしたことがあります。
同じ作家さんなのですね。
2004年初版ということは、ロングセラーですね。
きみが生まれた日、三人のともだちがやってきて、きみのからだのなかで
はたらきはじめた・・・・・・。
このように語りかけるような、散文詩的形式でお話は続きます。
三人のともだちは、アタマはかせ(頭)・ハートおばさん(心)・いぶくろおじさん(体)は、それぞれの持ち場で、人間の成長あるいは一生に寄り添い助けてくれているというのです。
この作品が、人間が死を迎えるまでを描いていることから、対象となる読者層を広げているのだと思います。
「ぞうのさんすう」もそうでしたが、生まれ老い死んでいく事をきちんと描き切っていることが、ハイネさんの考え方なのだなと納得します。
人生の最後に、いぶくろおじさんは・・・、アタマはかせは・・・、ハートおばさんはきみが蒔いた愛の種を育ててくれる。きみが残した愛を集めて、・・・・・・。
このエンディングが、厳しい生と死の現実を優しく包んでくれているように思います。
そして、こういう現実だからこそ、命はみな尊いのだということが、読者の心に深く伝わってきます。
高学年を対象に読んでみたいと思いました。