小学生の頃学校の映画で見たことがあります。
アニメだったか、人形劇だったか。
炎の中をひたすら逃げ惑う家族と野良猫の姿が目に焼きついています。
とりわけ、赤ちゃんをかばってうずくまって焼け死んだお母さん、
川の中で一本の荒縄にしがみついた少年が野良猫を橋に助けあげた後、
力尽きて沈んでしまう光景・・・。
この絵本はとても長い読み物でもあります。
田島さんの力強い絵が空襲の激しさを伝えてくれます。
野良猫「稲妻」母子、昌男一家の心の交流が温かく、
壮絶なラストも、助かった「稲妻」母子の姿に昇華されます。
絵本という形でいて、しっかりとメッセージは子ども達に伝わります。
子どもの頃は、戦争というものを体感し、
大人になってからは親の視点で深く心を打たれた作品です。
何もいわず、図書館から借りて我が子にはおすすめしておきました。
読んではくれたので、何か感じていてくれれば、と祈っています。