子供の頃読んで、すごく印象に残っていた絵本です。
図書館で見つけて、大人になった今、再び読んでみました。
空襲の恐ろしさが、こんなにもリアルに描かれていたことに驚きました。
一面の真っ赤な炎、死体の山、火災旋風、死体だらけの川・・・
これまでテレビや写真などで知った、東京大空襲での出来事がこの本の中にもありました。
また、田島征三さんの激しく力強い絵が壮絶さを良く伝えてくれます。
そして自分が母親になった今、昌男のおかあさんと猫の稲妻の母としての姿にとても胸を打たれます。
荒れ狂う炎の中、自分の身を挺して子供たちを守ることが果たして自分にできるだろうか。正直、自信がありません。
昌男のおかあさんが、赤ん坊だけでも助けようと地面に穴を掘って覆いかぶさるところは涙なしでは読めませんでした。
結果として、猫たちは生きのびたけれど昌男の一家は誰一人助からなかった。
この厳しい現実。
怒り、悲しみ、虚しさ、そして生命力への感動。
色んな気持ちが溢れてくる絵本です。
娘が今小学2年生で、学校での平和教育のおかげで戦争について関心を持ち始めているようです。
内容がかなり激しいのと、絵本としては文字も多くて少し長い(85ページほど)ので読み切れるかな?ということもあり少しためらいますが、様子を見てそろそろ読ませてみてもいいかなと思っています。