何事にも消極的なヘラジカさん。仲間が雪の中、スキーで遊んでいても、「寒いのが嫌い」とやってみようとはしません。「ぼくってほんとにこのままでいいのかなあ」と思ったヘラジカさんは、一生懸命考えたり、インターネットで調べたり、夜空を見上げたりしてみても、どうしていいのかわかりません。だったら「何でもやってみよう!」と心に決めました。ヘラジカさんが自分でそう決めるまで、仲間のクマやビーバーは何も言わずに、ヘラジカさんのことを見守っていたんですね。
ヨットで冒険をして嵐に打ち上げられた、小さな島で何もせずにぼーっとすることもなく、飲み水を探したり、薪を集めたり、魚を採ったり、生きる力をどんどん目覚めさせていくヘラジカさん。いっぴきのカメにも出会い、島での生活を一緒に楽しんでいく、素晴らしい毎日。
島から帰ったヘラジカさんとしっかりと抱き合うクマとビーバー。
それからもヘラジカさんはますます人生を楽しんでいくんですね。ヘラジカさんの姿にこちらも勇気をもらい、励まされました。
絵も親しみやすくて、いい感じに力が抜けて、愉しく読めました。