5年生の読み聞かせに使いました。
ただ話を読んだだけだと作り話に思われてしまいそうです。
読み終わった後実話だと話すととても驚いていました。
作者のフィリップへの敬意も添えられているのでそれも読みました。
そしてもう一つこのビルがなくなってしまった理由がわかるかどうか聞いていました。
「なんか見たことあるよね…」と考えた後
「あ、飛行機が突っ込んだやつ…?」と気づいてくれた子がいました。
あの事件があったのは2001年。そのあと生まれた小学生のほうが多いんですよね。何かのTVであの事件の様子を見たことがあるでしょうが、この綱渡りどころか、二つのビルの存在すら知らない子供たちが多い。時の流れを感じます。
今はないあのビルで綱渡りをしたフィリップ。彼は空と一体になった。
その様子は私も知らないけれど、彼の爽快感が伝わる素敵な話だなと思います。
読み聞かせのメンバーにこの本を紹介すると「テーマが重いのでは?」「聞いた後に気持ちが重くなるのでは?」と読み聞かせに否定的な意見が出ました。
正直、そういう感想が出たことににびっくりしました。
こんなに爽快感を感じる話なのに。
確かにあの事件がテーマだとしたら重いです。朝の読み聞かせにはどうかと思います。
でもこの本はそこがテーマなのでしょうか。私は違うと思います。
悲惨な事件を思い出すための話ではなく、あのビルであった素敵な思い出をフィリップとともに思い出し、みんなの心の中にビルの姿を残し、伝える話だと思うのです。
実際、子供たちに読み聞かせをしても楽しそうに聞いてくれました。
話のあとに事件のついては触れてもそこをクローズアップする必要はありません。だから重いテーマにはならないと考えます。
だから自信を持って、これからも読み聞かせに使っていきたいと思います。
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読み聞かせに使った学年:5年生
子供の反応:★★★★★
所要時間:8分程度